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当時の雑誌の記事も展示されている=2024年9月20日、徳島県勝浦町図書館、森直由撮影
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 「徳島県勝浦町でツチノコのホルマリン漬けが保存されている」。そんなうわさを聞きつけた。

 ツチノコは胴が短くて異常に太い、ヘビに似ている未確認生物だ。全国各地で目撃情報が残り、「ノヅチ」(東北)や「タワラヘビ」(九州)など、地域によって呼び方も異なるという。

 記者は2005年、島根県奥出雲町で、ツチノコの取材をしたことがある。その町では「ヨコロ」と呼ばれていた。

 「山中で体長40~50センチで、胴が太い生物を見た。うろこが緑色に光り、怖くなって逃げた」「あまりにも気持ち悪かったので、家族にも1年近く打ち明けられなかった」。そう話した住民が、うそをついているように見えなかった。

 住民と一緒に目撃情報が相次いだ山を登り、「この穴にヨコロがすんでいる」と伝えられている付近をしばらく探したが、見つからなかった。

 あれから20年近く――。心のどこかに、ツチノコが引っかかっていた。ツチノコとされるホルマリン漬けは、勝浦町図書館に今も保管されていることが判明した。さっそく取材に向かった。

 標本は図書館の2階、普段は…

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